「…悪いんだね?」 確認するように、ダメ押しするようにそう聞くと、衣都はコクリと頷いた。 「…しばらく、味がわからなくなってた」 ぽつりとこぼされた言葉を、俺は静かに飲み込む。 味覚障害、ってことか。 衣都はいつものおしゃべりを発揮せずに、それ以降は何も言わない。 これだけでも察せるだろう、と言われているようだった。