そして、愕然とした。 言葉を失い、動かない俺を気にしてか気にせずか、衣都は笑って手を振ってくる。 俺はとっさに、カバンの中に紙袋を隠した。 「…今日、調子は」 そう聞くけれど、答えはわかっている。 衣都の腕には点滴の管がついていて、それが少し上に続いて、時折ピチョンと液体が落ちてきている。 衣都は答えない。 心配させたくない、とか考えてるんだろうな。どうせ。 毎日来てるんだから、隠せるわけないのに。