ホワイト・サマー・エンド





授業になんて耳を貸すことはできず、ぼんやりと窓から見えるグラウンドを眺める。

まだまだ真夏のように暑いから、体育の授業を受けている人間は誰もいない。


蝉もまだ鳴いていて、草刈り後のような独特の匂いが鼻をくすぐった。



それと同時に、8月よりも冷たい風が吹いて、夏の終わりを悟らせる。





嫌だ。

永遠にこの夏に閉じこもってしまいたい。

なのに、時間は当たり前のように流れる。



目をつむる。

衣都の顔を思い出す。声を思い出す。記憶の中から、衣都をすくい上げる。