まぶたを落とせば、簡単に思い出すことができる。
俺の中の、すべての衣都の姿を。
葬式のことも遺体のことも全て鮮明に思い出せてしまうから、毎日のように喉を掻きむしりたくなるような、無性な苦しみに襲われる。
衣都のことを思い出せば思い出すほど愛しさも恋しさも募ってゆく。
衣都が死んでから時間が経ったのに、まだ直ぐ側にいるような気がしてならない。
でも目を開けばそこには誰もいなくて。
衣都の姿も、声も、気配も、何もなくて。
ぽつりと、空っぽな心に落ちた一筋の光のように、淡々とした虚しさだけが残る。
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