ノック音が響く。 母がなにか言葉を出す。 同じ日本人で、同じ言葉を喋っているはずなのに、何も聞き取れない。 そのうち諦めたように足音が遠ざかっていく。 ドアを開けると炊きたての白米と、味噌汁と、鮭の塩焼きがトレーに乗っておいてあった。 こんな廃人もどきになっても世話をしてくれる両親には、感謝しか無い。