どうしてこの手紙を開けなかったんだろう。 どうして、もっと早く読めなかったんだろう。 もしかしたら、もしかしたら、そうすることで何かが変わっていたかもしれないのに。 馬鹿だ。 本当に馬鹿だなあ。 ぽたり、と水が垂れる。 水滴で衣都の字が歪む。 彼女の願いが、霞に掻き消えるように見えなくなっていく。 ああ、それでも、今は届いているから。