懐から紙を取り出す。 それは「前回」、衣都が書いた俺への最後の手紙。 3年経っても、何年経っても、読むことのできなかった衣都からの手紙。 衣都の最期を見て、やっと読む覚悟ができた。 意を決して、続きを開く。 衣都が死の間際に綴った言葉が、時が過ぎ、巻き戻った今も、まだこの紙の中に残っている。 紙がぺらりとめくれる。 風に揺さぶられて読みづらいが、俺は衣都の病室を見上げ、その慌ただしげな音がしているのを聞いて、心臓のうるさいほどの緊張を感じ、そこに目を走らせた。