「―――衣都、おはよう。来たよ。調子はどう?」 応えはない。 蝉の鳴き声がする。 そんなうるささも、彼女には届かないだろう。 この白い、不気味な無機質な部屋も、同じくらいに白い、窓の外の入道雲も。 俺は衣都のベッドに近づく。 衣都は目をつむり、そこに眠っていた。 いや、正確には眠っていない。