蝉の声が聞こえる。 不吉な予兆のように、白い太陽が煌々と燃えている。 信じられなかった。 世界が真っ白になるようだった。 まるであの入道雲みたいに。 白く無機質な病室のそのベッドの上と傍。 真っ白でまっさらな君と、泣くこともできない愚かな俺だけが、取り残された迷子のように座っていた。