これは、ほしかった。 衣都が思いを込めて作ってくれた組紐は、あのスケジュール帳と手紙と同じ、俺のお守りだった。 その糸の色彩はまるで衣都そのもののようで、それを見ると悲しさと虚しさと懐かしさが込み上げてきたのだった。 俺はすぐに腕に組紐をつけて、衣都は『似合ってるよ』と笑う。 『うん、ありがとう…衣都』 磨き抜かれた水晶に映る衣都の顔を見ながら、俺はそっと微笑んだ。