その心の声は、ずっと前に自分がこぼしたものだった。 不吉なくらいに美しい光景を。 俺はうつくしい、とそのままに感じたのだ。 ワイシャツに汗が滲む。 肌の感覚が気持ち悪い。 こんな暑い日に、なんで学ランの上着なんか…。 そう思考して、止まる。 学ラン? 高校の制服は紺色のブレザーで、詰め襟タイプの制服ではなかったはずだ。 学ランは中学校の制服で―――。 そこまで考えて、目の前の母校に気づく。