衣都、話したい。 俺は強く、強く願う。 もう一度、聞きたいんだ。 君の口から、この言葉を。 つばを飲み込む。 その瞬間、目の前が一瞬光り、プラグを抜かれたテレビのように、ブツンと目の前が真っ暗になった。 そう。 ここまでが、「前回」。 ここまでが俺の追憶、「あったはずの」分岐点。 「ここから」が、彼女を救うための分岐点。 俺は意識を手放した。 時の渦の奔流に、身を任せた。