模試の話。

願書の準備。

推薦、一般、AO――それぞれの道。


不安がないわけじゃない。


でも、進んでいける。

隣に、信じられる誰かがいるから。


「遥くん」

「ん?」

「わたし、ちゃんと書けたよ。志望理由書。……また久遠先生に見せてくるね」

「うん、がんばれ」


彼の答えに、心の中があたたかくなる。


一歩ずつ。一文字ずつ。

進んでいくわたしたちは、もう“迷っているだけの自分”じゃない。


それぞれの目標に向かって、歩き出している――


“次の目標”に、目を向けながら。