君の隣が、いちばん遠い



わたしがそう言うと、彼は目を細めて、笑った。


「うん、俺も。ひよりと一緒に、ちゃんと未来に進みたい」


どんな未来が待っているのか、まだ誰にもわからない。

だけど、この夏、わたしたちが重ねた日々は、きっと何かを変えたと思う。


手の中にある小さな決意は、もう揺らいでいない。


わたしたちは、もう大丈夫。

これからどんな季節がやってきても、一緒に進んでいける――。


そう信じられる、夏の終わりだった。