君の隣が、いちばん遠い



「ごめん。ずっと、したかったんだ。でも、ちゃんと今日って決めてた」

「……ううん、わたしも、嬉しい」


わたしたちは顔を見合わせて、ふたりしてふっと笑った。


夜の静けさの中で、ただ隣にいるだけで、胸がいっぱいになる。

一年前、あの日に手をつないだふたりが、今ここにいる。


「これからも、一緒にいようね」

「うん。どんなときも、となりにいる」


わたしたちは、しっかりと手を重ねた。

世界がどんなに変わっても、この想いだけは変わらないと、信じられる夜だった。