「……ふたりとも、うるさい」 一ノ瀬くんが照れくさそうにぼそりと言う。 柊が「おっと、ここはもうそっとしておくべきだな!」と敬礼のポーズをとった。 そんなやり取りの中、4人の間にはいつもより少し、あたたかい空気が流れていた。 歩道を照らす街灯が、わたしたちの影を並べて映し出している。 吐く息は白く、けれど心は、不思議とぽかぽかと温かかった。