過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜

術後の順調な経過を受けて、雪乃は外科病棟から循環器病棟へ転棟することになった。
転棟の日の朝、看護師が入院の準備を手伝いに来る。

ドアが開き、見覚えのある笑顔が差し込んだ。

「雪乃さん、久しぶり! 会いたかったよ」

遠藤看護師だった。
前回の入院で担当してくれた彼女の温かい声に、雪乃の表情がぱっと明るくなる。

「手術、頑張ったんだってね。ほんとに偉かったね」

遠藤は丁寧に手を握り、励ますように続けた。

「これからは私がしっかり見守るからね。退院に向けて全力でサポートするよ」

雪乃は深く頷き、ほっとした笑顔を返す。

「ありがとう、遠藤さん。頼りにしてます」

神崎もそのやりとりを静かに見守りながら、安心した表情を浮かべた。
新しい環境でまた一歩、確実に回復の階段を上る。

これからの闘いに向けて、雪乃は決して一人ではないことを実感していた。