朝の光が、静かにダイニングのテーブルを照らしていた。
窓の外では鳥の声がかすかに聞こえる。
雪乃は湯気の立つ味噌汁を前に、ひとり静かに箸を動かしていた。
昨夜の余韻がまだ体に残っているようで、布団から出たとき、なんとなくあたたかかった。
でも、食卓に座っても目の前に誰もいないというだけで、空気がすっと冷たくなったように感じる。
やっぱり、大雅がいないと、少し寂しいな。
けれど、早朝に見たあの背中を思い出す。
シャツの袖をまくりながら、迷いなく病院へ向かっていった姿。
眠気を引きずったままでも、患者さんの命を第一に考えているあの人を、やっぱりすごいと思う。
かっこいい人だな……って、今さらながら。
「よし……私も頑張らなきゃ」
ぽつりと、ひとりごとのように呟く。
今日はきくののバイト。
お昼のピーク、ちゃんと笑顔でこなせるかな。
まだ体力には不安があるけれど、無理せずできる範囲で、ちゃんと向き合いたい。
誰かの役に立つこと、自分で働くこと。きっと、それが今の自分を保ってくれる。
湯気の向こう、大雅がいた昨日の朝を思い出しながら、少しだけ背筋を伸ばす。
この場所で待っていられるように。胸を張って「いってらっしゃい」と言えるように。
お味噌汁を最後まで飲み干して、そっと立ち上がった。
窓の外では鳥の声がかすかに聞こえる。
雪乃は湯気の立つ味噌汁を前に、ひとり静かに箸を動かしていた。
昨夜の余韻がまだ体に残っているようで、布団から出たとき、なんとなくあたたかかった。
でも、食卓に座っても目の前に誰もいないというだけで、空気がすっと冷たくなったように感じる。
やっぱり、大雅がいないと、少し寂しいな。
けれど、早朝に見たあの背中を思い出す。
シャツの袖をまくりながら、迷いなく病院へ向かっていった姿。
眠気を引きずったままでも、患者さんの命を第一に考えているあの人を、やっぱりすごいと思う。
かっこいい人だな……って、今さらながら。
「よし……私も頑張らなきゃ」
ぽつりと、ひとりごとのように呟く。
今日はきくののバイト。
お昼のピーク、ちゃんと笑顔でこなせるかな。
まだ体力には不安があるけれど、無理せずできる範囲で、ちゃんと向き合いたい。
誰かの役に立つこと、自分で働くこと。きっと、それが今の自分を保ってくれる。
湯気の向こう、大雅がいた昨日の朝を思い出しながら、少しだけ背筋を伸ばす。
この場所で待っていられるように。胸を張って「いってらっしゃい」と言えるように。
お味噌汁を最後まで飲み干して、そっと立ち上がった。



