会いに行くから、待っていて。




あおくんは好き?になった女子をびっくりさせたくないのかも。急に屋上に現れたらびっくりするもんね。


まあいいや。僕はどんな女子かよくわからないから、すぐに屋上へ行っちゃお♪


「よっと」


——ダンッ


着地。


あれー、しまった。位置がちょっとズレてたみたい。女子の目の前に着く予定だったのに、ドアの上のスペースにいる〜。


ま、いっか。


「え?」

ちょっとびっくりしたような女子の声。うーん、声はちょっと高いって感じかな?


そういえば、あおくんはずっと“真っ白”って言ってた。性格がってこと…?


優しいとかじゃないのかな?真っ白?言い方がよくわからない。まあ、あおくんの言葉選びは意味わからないけど。


「ねえっ」


僕は立ち上がる。


そんでよっこいせと降りる。


うう、高いとこから降りると足がじーんってする〜。骨折しちゃわないといいけど。まあ、一ヶ月くらいで治るか。僕にとっては一ヶ月なんてあっという間だしいっか♪



取り敢えずでびっくりしてる女子を見る。あおくんもびっくりしてる。…あおくんはいいんだよぉ。


うーん…可愛いっちゃ可愛いかなぁ。僕は美的感覚そこまでないから美少女とは言えないかなぁ。僕はお世辞とかは言わないタイプだし。結構僕親戚に「毒舌!」「辛辣!」とか酷い言い草言われるんだよね。


目はすごい透き通ってて、あおくんの言う通り濁りがない気がするけど、何故か髪が何本か跳ねてる気がする。肌は何故かかさかさ。中2くらいかな?



中2くらいでこんぐらいでもいいかと思うくらい見た目には無関心なのかな?今の中学生が?


「よろしくっ」


この場をうまーくやるために笑顔でそう言う。


僕は「取り敢えず」が口癖なんだよねっ。


あおくんみたいに素直なのもいいけど、ああやって怒ってばっかりな人よりこの場をうまく過ごすっていうことを最優先に考えてる僕の方が将来勝つと思う。


…ってそれはどうでもいい。


僕の頭の中って、すぐ脱線するんだよね〜。



名前は佐海帆香ちゃんって言うらしい。今時っぽい名前。さかいって、酒井は聞いたことあるけど佐海なんて漢字あるんだな〜。


帆香ちゃんは考えてることが全て顔に出る。


ちょっと「真っ白」の意味がわかんないし、彼女のどこに魅力をあおくんが感じたのかを知るために、観察させてもらう事に。


一個気付いた事がある。