取り敢えず不老不死一族の集合所を抜け出し、歩くあおくんの後をつけていく。
あおくんの拠点?の廃墟の場所、知らないし〜っ。
あおくんがずっと前…あの子の前世の時から依存…執着?してた子なんて、僕見てみたーい。
それに、関わったことのない女子に関わってみたら、この毎日普通でいつも同じな日々を抜け出して、毎日違うことがある、刺激たっぷりな日々が手に入るかも。
もう死なない、死ねないとわかってる。花の棘がどうとかいってたけど、あの花貴重らしいし、そんな簡単に手に入る訳ないだろう。
…僕たちは、死なないからって人に「私らのこと、見下してるでしょ?」と言われ、嫌われてきた。
だから僕らは人間じゃないとか言われて、あおくんの機嫌が最悪になった。
人にあまり関わったことがない。
あおくんは人じゃないとかって言われたことずいぶんご立腹みたいで、女子にイケメンだからってちやほやされる時にガチギレして暴れて何人か倒れたりしてもーほんと大変だった。
でも僕は自分で言うけど、いちいちあおくんみたいに突っかかってめんどくさくなるより、にこにこ流して誰も傷つかず丸く収まる方が良いと思う。たとえその笑顔が上辺だけのものだとしても。
だから人を見つけても「こんにちは!」って笑顔で挨拶したりするため、まあまああおくんよりは人からの評価はいいと思う。
まあ、見た目で不老不死だってわからないっていうのもあるけど。
あおくんは身長がめっちゃ高いから、すぐああ、結構生きてるんだなってわかる。それで不老不死か⁉︎敵だ‼︎ってなる人も少なくない。
僕はチビだから、中学生?小学高学年?って微妙なラインだから、不老不死ってわかんないってのもあると思う。
…っていうか、遠くない?
集合所から結構遠い。5分くらい歩いたんだけど…。
……ああ、あれか。
ボロボロの廃墟。よくあれに住むって考えたなぁ…。
あおくんはその中へ迷わず入って行く。
錆びついたドアがギイイッと開く音。
そんでまたぎいいいいいっと閉まる。
でもあおくんは大雑把だから、ドアは微妙に開いてる。
その微妙な隙間からそっと中を覗くと、カンカンカンカンと言いながら階段を登ってる。音が鳴ると気づかれちゃうかぁ。
ていうかあおくん、なんでわざわざ階段登るんだろ。…あ、そっか。



