何年も生きてて、終わりはそう簡単にはやってこないとわかってると、
毎日同じような日が続く。
地球が滅亡するほどの、刺激が欲しい。
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「ほわああああ…」
「うるっせ」
僕の欠伸に舌打ちをして殴ってきたのは、勿論あおくんだ。
「酷い〜」
笑顔を浮かべながらさらさら受け流す。
こう言うのにいちいち反応できるあおくんも大人だなぁ。ずーっと生きてるのに、つまんなくないんだろうか。
テキトーに笑顔を浮かべて、テキトーにぜんぶ流しとけばいいのに。
「それにしても、集まり多過ぎ。帰る」
「横暴〜」
「ちょちょちょちょい待ち!今日もじっくり話を聞かせてや」
ちょっと焦った様子で慌ててあおくんの袖を引っ張る親戚。
関西にいる訳じゃないのに何故か関西弁を喋ってる。たまに間違ってる関西弁も喋ってて、関西の人の反感を買いそう。
「なんのだよ」
「知らんぷりすんな。彼女の話や〜」
バシバシとあおくんの背中を叩いてる。当のあおくんは物凄く嫌そう。可哀想だなぁ〜。
「ウザ。毎回聞いてくんのやめろ。帰る」
「待て待て待て!なんか、あれやろ、彼女はなんか真っ白なんやろ⁉︎意味わからんけど!もうちょっと彼女の性格、聞かせて!」
焦ってるのか、関西弁なのか怪しい言葉遣いであおくんを止めてる。
「うるせ。話して惚れたら困るし」
「「え」」
僕と親戚はフリーズ。頭が一瞬真っ白になった。
でも僕はすぐに通常運転に戻る。
ただ親戚の方はまだダメージを受けてるみたいだ。
「え、待て待て待て、待てよ、葵ってそんなこと言うキャラやったっけ⁉︎」
「キャラ違ったねぇ」
「…うるっせ。帰る」
無理矢理親戚の手を抜けて帰ってしまったあおくん。
あおくんがちょっと言わなきゃよかったっていうようにうんざりしてた。
「あーあ、帰ってしもた…。ん?どうした汐。目キラキラして…。お前はいつもにこにこしとるけど…」
「僕行ってくる!」
「は⁉︎おい、ちょっと待ち、汐——」



