え、え…。
助けを求めるように葵を見る。
「俺もいらない」
汐くんと同じことを言ってまたどこかへ行ってしまった。
え…。
残されたのは、私1人。
…。
お金ないなって言っただけで、こんな事になるなんて…。
汐くんは私に使って欲しいと思って渡したのだろうか。いや、そんな事ないと思う。
汐くんはそんな事ないって思いたいけど、きっと私の反応を伺っているんだ。
これで私が使ったら、酷いと思うだろう。みんなと同じように。
…って、ダメダメっ。みんなが悪いんじゃないし。
取り敢えず、汐くんたちが戻ってくるまで待ってよう…。
用もなしに散歩する気には、なれなかった。
椅子に座ると、ギイッと鳴った。
そんな椅子に座りながら、ぼーっと空を眺める。
空はすごく綺麗だ。なのに私はすごく醜いのは何故だろう。
私は悪魔みたいだと色んな人に言われた。
『貴方がいると、不幸しか来ない。貴方の近くにいたくない』
…ああ、ダメだ。ここに居ても、過去の記憶に浸ることしかできないだろう。
だからと言って辺りを散歩するなんてもっての外だ。クラスメイトに会ったら、学校をサボって何をしているんだ?って言われてしまうだろう。お母さん…に会ったら…。
そう考えるだけで背筋が凍った。やだな、会いたくない。
こんなことを自分の親に対して思ってはいけない。ぶるぶると首を振って邪念を振り払う。
雲は真っ白。なのに私の心の中は真っ黒だ。



