「悪いんだけどさ、俺が元王子だったことは、内緒にしてほしいんだ」
シドが少し真剣な声で言った。
セラは「んー? あー、はいはい、分かったよ」と、肩をすくめるように軽く返事しただけだった。
でもその軽さが、逆に妙に信頼できる気がして、シドの胸の内に少しだけ安心が広がる。
「明日から、王宮の仕事をしてもらうけど……俺がいろいろ教えることになった。よろしくな」
そう言って、シドは改めて名乗った。「シドだ」
そして静かに手を差し出す。
セラは一瞬だけキョトンとしたが、すぐににっと笑い、
「こちらこそ、よろしく!!」
そう言いながら、力強くシドの手を握り返した。
その手には、迷いも飾りもなかった。
***
翌日から、シドはセラに王宮魔法使いとしての仕事を教え始めた。もちろん、ロザリアから課される雑用も含めて、だ。
だが意外なことに、セラは文句一つ言わずに雑用も黙々とこなしていた。
明るくてあっけらかんとした性格のわりに、仕事は正確で手早い。教えたことはすぐに覚え、次には自分のやり方で効率よく仕上げていた。
その親しみやすい空気に、普段は人見知りなシドもすぐに気を許していた。
いつの間にか、2人で並んで働くことが自然になっていった。
シドが少し真剣な声で言った。
セラは「んー? あー、はいはい、分かったよ」と、肩をすくめるように軽く返事しただけだった。
でもその軽さが、逆に妙に信頼できる気がして、シドの胸の内に少しだけ安心が広がる。
「明日から、王宮の仕事をしてもらうけど……俺がいろいろ教えることになった。よろしくな」
そう言って、シドは改めて名乗った。「シドだ」
そして静かに手を差し出す。
セラは一瞬だけキョトンとしたが、すぐににっと笑い、
「こちらこそ、よろしく!!」
そう言いながら、力強くシドの手を握り返した。
その手には、迷いも飾りもなかった。
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翌日から、シドはセラに王宮魔法使いとしての仕事を教え始めた。もちろん、ロザリアから課される雑用も含めて、だ。
だが意外なことに、セラは文句一つ言わずに雑用も黙々とこなしていた。
明るくてあっけらかんとした性格のわりに、仕事は正確で手早い。教えたことはすぐに覚え、次には自分のやり方で効率よく仕上げていた。
その親しみやすい空気に、普段は人見知りなシドもすぐに気を許していた。
いつの間にか、2人で並んで働くことが自然になっていった。



