応接室を出たセラは、ロザリアの補佐官であるエドに連れられて、これから与えられる部屋へと向かっていった。
無邪気に「わあ〜広い廊下!」「あれ何の像かな?」と感嘆の声を漏らしながら歩くセラの後ろ姿を、シドは無言で見送った。
やがて静寂が戻る。
部屋には、シドとロザリアの二人だけ。
シドは肩越しにロザリアを振り返り、低い声で問いかけた。
「…どうして、あの子を王宮で雇ったんですか?」
ロザリアは淡々と微笑んだまま、資料をまとめていた手を止めると、顔を上げて答えた。
「──あの子の魔法薬は上出来よ。私の、もう一人の弟子として申し分ないわ」
ロザリアは穏やかに微笑みながら言った。その声音には、すでに評価を終えていた確信と、わずかな期待が滲んでいた。
「弟子……最初から、そのつもりだったんですね。」
「もちろん」
まるで当然のように答えるロザリア。その飄々とした様子に、シドは思わずため息をついた。
「……やれやれ。」
ロザリアはくすっと笑った。
「新しい仲間が出来たわね。あの子に仕事、色々教えてやってね。」
「あ、ちょっと…」
ロザリアが出ていくと。結局自分が教えるのか、とシドは頭をくしゃっとかいた。
まさか、異国で――しかも王宮で、同じアスタリト出身の人間と働くことになるとは思ってもみなかった。
だが、それ以上に――気になることがあった。
「……セラは、本当に俺のことを知らないんだろうか」
その疑問が頭から離れなかった。
自分の素性を、どこまで彼女は知っているのか。
あの軽い調子の裏に、何かが隠れているのではないか。
シドはセラの元へと向かった――
無邪気に「わあ〜広い廊下!」「あれ何の像かな?」と感嘆の声を漏らしながら歩くセラの後ろ姿を、シドは無言で見送った。
やがて静寂が戻る。
部屋には、シドとロザリアの二人だけ。
シドは肩越しにロザリアを振り返り、低い声で問いかけた。
「…どうして、あの子を王宮で雇ったんですか?」
ロザリアは淡々と微笑んだまま、資料をまとめていた手を止めると、顔を上げて答えた。
「──あの子の魔法薬は上出来よ。私の、もう一人の弟子として申し分ないわ」
ロザリアは穏やかに微笑みながら言った。その声音には、すでに評価を終えていた確信と、わずかな期待が滲んでいた。
「弟子……最初から、そのつもりだったんですね。」
「もちろん」
まるで当然のように答えるロザリア。その飄々とした様子に、シドは思わずため息をついた。
「……やれやれ。」
ロザリアはくすっと笑った。
「新しい仲間が出来たわね。あの子に仕事、色々教えてやってね。」
「あ、ちょっと…」
ロザリアが出ていくと。結局自分が教えるのか、とシドは頭をくしゃっとかいた。
まさか、異国で――しかも王宮で、同じアスタリト出身の人間と働くことになるとは思ってもみなかった。
だが、それ以上に――気になることがあった。
「……セラは、本当に俺のことを知らないんだろうか」
その疑問が頭から離れなかった。
自分の素性を、どこまで彼女は知っているのか。
あの軽い調子の裏に、何かが隠れているのではないか。
シドはセラの元へと向かった――



