「ありがとうよ、シド。これお代ね。」


「どうもー。」

シドはいつも依頼してくるおばさんに畑に立てる旗を渡した。良い風が吹き、害虫などから作物を守れるものだ。

今日は依頼はこれのみだったのでシドは家に帰ろうとした。

「……ん?」

町を歩いているとふと背後から誰かが付けてきているような気がした。
振り返ると、町を行き交う人だけ。

シドは首をかじけながら再び歩き始めた。


その日からというもの、やはり誰かに監視されている気がしていた。

仕事の依頼を受けてる最中や、買い出しに町を歩いているとき。更に家の中に来ても窓の外から何か気配を感じることもあった。


「…最近誰かに見られてる気がする。」

レオのバーで飲んでいる時にシドはポツリと呟いた。


「見られてるって?」

「後をつけられてる。特に仕事中に。」

「ええ?大丈夫なの?」

リアンが心配そうな声をあげた。

「いつからだ?」

レオが問いかけるとシドは腕を組んだ。

「…1週間前くらいから。」