魔法使い時々王子

「……王子?」

リアンが、ようやく口を開いた。

「……まじかよ」

レオも驚いたように呟いた。

シドは二人の反応を見ながら、少し間を置いた。

そして、再び静かに口を開く。

「……ごめん。ずっと黙ってて」

すると、ふとリアンがキースへ視線を向けた。

「キースは……知ってたの?」

シドの話を聞いても、ほとんど驚いた様子を見せないキースを見て、リアンが尋ねる。

「ああ」

キースは短く答えた。

「アスタリトを訪れた時に滞在した家に、王室の人たちの肖像画が飾ってあったんだ。その中に、シドがいた」

「キースに黙っていてほしいと頼んだのは、俺だ」

シドが静かに言った。

リアンとレオは顔を見合わせる。

シドの言葉を聞きながら、二人はまだ状況を飲み込めずにいた。

目の前にいる、いつも一緒に酒を飲み、くだらない話で笑い合ってきた友人。

その男が――

まさか、一つの国の王子だったなんて。