魔法使い時々王子

その日の仕事を早めに切り上げたシドは、レオの店へ向かった。

店の扉を開ける。

カランカラン――。

鈴の音が店内に響いた。

開店したばかりということもあり、まだ客の姿はない。

「おう、シド。今日は早いな」

カウンターから顔を出したレオが、いつもの調子で声をかける。

「今日、キースは来るか?」

「ああ、来ると思うよ。最近、毎日のように来てるからな」

「そうか。リアンにも、ここへ来る前に声をかけた」

「じゃあ、今日は四人集合か。久しぶりだな」

レオはそう言うと、シドがいつも飲んでいる酒をカウンターへ置いた。

「ほら」

「ありがとう」

シドは酒を手に取る。

そして、何も言わずにグイッと一口飲み干した。

喉を通る酒の熱さに、シドは小さく息を吐いた。

今日は、いつもの飲み方とは少し違っていた。

これから、自分の本当の素性を三人に話す。

そう決めていたからだ。