魔法使い時々王子

アヴェリアでの休暇を終え、アリスたちは王宮へ戻った。

王宮へ戻ってからも、星晶をめぐる噂話は収まる気配がなかった。

廊下を歩けば、誰かのひそひそとした話し声が聞こえてくる。

イスタリアが星晶を求めていること。

国王が星晶を渡すかもしれないということ。

そして、その原因がアリスなのではないかということ。

そんな噂が、王宮中を駆け巡っていた。

部屋へ戻ると、ルーナが荷解きをしてくれている。

その間、アリスは窓辺に立ち、空を眺めていた。

エミリーが手紙を届けに来る気配は、まだない。

「シドの方は……どんな状況かしら」

アリスが小さく呟いた、その時――

コンコン。

部屋の扉がノックされた。

「どうぞ」

扉が開く。

そこに立っていたのは、セオの側近であるルイだった。

「アリス様」

ルイは一礼した。

「セオ様がお呼びです」