魔法使い時々王子

ジェームズかのマナー指導が一旦終わりシドは大きく伸びをした。

堅苦しいマナーばかり習って身体が凝ってしまった。


「…シド!」

名前を呼ばれて振り返るの沢山のシーツを抱えたリアンが立っていた。


「リアン。忙しそうだな。どこまで運ぶんだ。」

シドはリアンが抱えていたシーツを半分持った。

「ありがとう、3階よ。アルフィ王子の側近方達のお部屋用。シドこそ大変そうね。」


「ああ、今ジェームズさんにマナー講習を受けていたところだ。」


「ジェームズさんはとても有名よね。あの方に教えて頂ければどこへ行っても恥ずかしくないって。」

3階に着くと、シドはアリスにシーツを渡した。


「今夜レオの店よ。シド、来れる?」

「あー、多分無理だな。外賓の打ち合わせがあるらしい。」

シドの言葉にリアンは少し寂しそうな顔をした。

シドが行ってしまうと、リアンはベッドにシーツを敷き始めた。

「…ちょっとちょっとリアン!今の誰?!すごくかっこいいーー!」

メイド仲間がシドの話していたリアンを見かけて飛んできた。

「ーーロザリア様の補佐官よ。」

「ってことは魔法使い?!リアンは知り合いなの?羨ましいわぁ。」

すると別のメイドもやって来た。

「どうしたの?」

「リアンがロザリア様の補佐官と話をしていたのよ。すごくかっこいいの。」


「知ってる!シド様でしょ??かっこいいわよね!」


シドの話で盛り上がるメイド達を他所に、リアンはさっさとシーツを取り替えると部屋を後にした。