魔法使い時々王子


暫く魔力の痕跡を調査するとシドはその場で簡単な報告書を書いた。

報告書を鳥の形に織り、ふっと息をかけると手紙は瞬く間に羽ばたきはじめ、王宮の方角へと飛んで行った。

ロザリアへ、現状分かった事をまとめて書いて送った。

まだその姿は発見出来なかったが、確かに隣国から我が国へと侵入し、恐らく一匹。今日の明け方頃に
、今シド達がいる場所の辺りをうろついていたようだ。

シドは手紙の最後にもう少しこのまま捜索を続けたいと記した。

手紙を送って暫くすると、ロザリアからの返信が届いた。

蝶の形に織られた羊皮紙はヒラヒラとシドの掌の中へと降り立った。

『ネクロフォージは危険なため一度帰還しなさい。』

そう記されてあった。シドは手紙を読むと少し苛立った顔をした。

確かにネクロフォージは討伐した事はないが、少なくとも魔物のことはロザリアよりは知っている。

王都に魔物の被害が少なくなっているが、それは魔物が侵入出来ないようにロザリアが魔法をかけているから。

「…討伐は専門外だろう。」

シドはロザリアからの手紙をくしゃっと丸めた。


「…もう少しこの辺りを見て回ろう。」

近衛兵達に告げるとロザリアの言葉を無視してシドは再びネクロフォージの捜索を始めた。