アリスは部屋に戻ると、お気に入りの窓辺に腰を下ろし、先ほど見たニーナの悲しげな表情を思い返していた。
――どうしてあんな顔をしていたのかしら。
そう胸の奥がざわつくまま外を眺めていると、遠い空の上を一羽の白い鳥がゆっくりと羽ばたいているのが見えた。
最初はただの鳥だと思った。けれど、光を受けてきらりと光る白い羽がどこか不自然に均一で、まるで薄い紙を何枚も重ねたように見える。
「……あれ?」
アリスが目を細めると、白い鳥はふわりと軌道を変え、まっすぐこちらへ向かってくる。
近づくにつれてその正体はますます奇妙だった。翼の一枚一枚が風に揺れて、紙の端のようにほんのわずかにひらりとめくれる。飛ぶたびにかすかな紙の擦れる音が微かに聞こえた気がした。
アリスは思わず立ち上がり、胸の前で手をぎゅっと握りしめる。
「え、なに……?」
鳥は窓の外で一度くるりと円を描くと、まるでアリスを安心させるようにゆっくりと羽ばたき、軽い音を立てて窓辺へ降り立った。まるで生きている鳥そのもののように、首を少しかしげる。
その瞬間、羽の輪郭がほどけるようにふわりと形を変え、鳥は紙片へと戻り、机の上へそっと舞い落ちる。
軽やかな音とともに紙がひらく。
アリスはハッと息をのんだ。
――シドだわ!!
震える手で紙をつまむと、そこには見慣れた筆跡が優しく綴られていた。
――どうしてあんな顔をしていたのかしら。
そう胸の奥がざわつくまま外を眺めていると、遠い空の上を一羽の白い鳥がゆっくりと羽ばたいているのが見えた。
最初はただの鳥だと思った。けれど、光を受けてきらりと光る白い羽がどこか不自然に均一で、まるで薄い紙を何枚も重ねたように見える。
「……あれ?」
アリスが目を細めると、白い鳥はふわりと軌道を変え、まっすぐこちらへ向かってくる。
近づくにつれてその正体はますます奇妙だった。翼の一枚一枚が風に揺れて、紙の端のようにほんのわずかにひらりとめくれる。飛ぶたびにかすかな紙の擦れる音が微かに聞こえた気がした。
アリスは思わず立ち上がり、胸の前で手をぎゅっと握りしめる。
「え、なに……?」
鳥は窓の外で一度くるりと円を描くと、まるでアリスを安心させるようにゆっくりと羽ばたき、軽い音を立てて窓辺へ降り立った。まるで生きている鳥そのもののように、首を少しかしげる。
その瞬間、羽の輪郭がほどけるようにふわりと形を変え、鳥は紙片へと戻り、机の上へそっと舞い落ちる。
軽やかな音とともに紙がひらく。
アリスはハッと息をのんだ。
――シドだわ!!
震える手で紙をつまむと、そこには見慣れた筆跡が優しく綴られていた。



