アリスが窓辺で庭を眺めていると、扉が静かにノックされた。
「どうぞ」と声をかけると、音もなく扉が開いた。
入ってきたのは一人の女性だった。
長い漆黒の髪を高い位置でひとつにまとめ、
深い紺色のワンピースを身にまとっている。
装飾は一切なく、布の落ち感や縫製の美しさだけが際立っていた。
無駄のない動き、背筋の通った姿勢、控えめなのに研ぎ澄まされた雰囲気。
第一印象は──冷静で、強い。けれど刺々しさはない。
女性はアリスの前に進むと、胸の前で手を揃えて深く一礼した。
「ルーナと申します。これよりアリス様の側近として、お傍に仕えます」
澄んだ声なのに、どこか感情を抑えたような調子。
けれど不思議と冷たさはなかった。
アリスは少し戸惑いながらも微笑み返した。
「よろしくお願いします、ルーナ」
ルーナは静かに頷くと、淡々と告げた。
「これよりセオ王子がお待ちです。ご案内いたします」
その一言だけで、アリスの胸はぎゅっと強張る。
深呼吸を一つして、ルーナの後ろに続いた。
歩くルーナの足取りは速すぎず遅すぎず、迷いのないリズムだった。
アリスの歩調に自然と合わせてくれる。
──不思議な人。でも頼りになりそう。
そう思ったところで、すぐに立ち止まった。
ルーナが軽くノックすると、中から控えめな返事が聞こえた。
「どうぞ」
扉が開く。
部屋の中央、陽の光の差す場所に
一脚の特別な椅子が置かれていた。
そこに座っていたのが──セオ王子だった。
「どうぞ」と声をかけると、音もなく扉が開いた。
入ってきたのは一人の女性だった。
長い漆黒の髪を高い位置でひとつにまとめ、
深い紺色のワンピースを身にまとっている。
装飾は一切なく、布の落ち感や縫製の美しさだけが際立っていた。
無駄のない動き、背筋の通った姿勢、控えめなのに研ぎ澄まされた雰囲気。
第一印象は──冷静で、強い。けれど刺々しさはない。
女性はアリスの前に進むと、胸の前で手を揃えて深く一礼した。
「ルーナと申します。これよりアリス様の側近として、お傍に仕えます」
澄んだ声なのに、どこか感情を抑えたような調子。
けれど不思議と冷たさはなかった。
アリスは少し戸惑いながらも微笑み返した。
「よろしくお願いします、ルーナ」
ルーナは静かに頷くと、淡々と告げた。
「これよりセオ王子がお待ちです。ご案内いたします」
その一言だけで、アリスの胸はぎゅっと強張る。
深呼吸を一つして、ルーナの後ろに続いた。
歩くルーナの足取りは速すぎず遅すぎず、迷いのないリズムだった。
アリスの歩調に自然と合わせてくれる。
──不思議な人。でも頼りになりそう。
そう思ったところで、すぐに立ち止まった。
ルーナが軽くノックすると、中から控えめな返事が聞こえた。
「どうぞ」
扉が開く。
部屋の中央、陽の光の差す場所に
一脚の特別な椅子が置かれていた。
そこに座っていたのが──セオ王子だった。



