シドはアリスへ視線を戻した。
「王宮で働き始めて、アリスと出会った時……俺と似ているところがある、そう思ったんだ。だから、少しでも力になれればって思った。……実際は、何も力になれなかったけどな。」
アリスはすぐに強く首を振った。
「そんなことない。シド……あなたは、ずっと私を助けてくれたわ。」
彼女は迷いなく言い切り、続けた。
「それに……私、知っていたの。兄があなたの出身について話しているところを、偶然聞いてしまって。だから……あなたが“誰なのか”を。」
アリスは小さく息を吸い、真っ直ぐに問いかけた。
「ねぇ……どうして兄は、あなたの出自を知っていたの?」
シドはほんの少しだけ考える仕草をした。
「……分からない。けど、少し前にイスタリアから“使者”が来た。国に戻るよう言われたんだ。もちろん断ったが……恐らくルイ王子は、その件で察したんじゃないかと思う。」
アリスは目を見開いた。
「……国に、戻るように言われてるの?」
「ああ。今さら俺に何の用があるって話だが。」
シドの声は落ち着いているのに、その奥にある微かな不安と諦めが、アリスの胸を締めつけた。
彼女はそっと、シドの袖を握った。
「王宮で働き始めて、アリスと出会った時……俺と似ているところがある、そう思ったんだ。だから、少しでも力になれればって思った。……実際は、何も力になれなかったけどな。」
アリスはすぐに強く首を振った。
「そんなことない。シド……あなたは、ずっと私を助けてくれたわ。」
彼女は迷いなく言い切り、続けた。
「それに……私、知っていたの。兄があなたの出身について話しているところを、偶然聞いてしまって。だから……あなたが“誰なのか”を。」
アリスは小さく息を吸い、真っ直ぐに問いかけた。
「ねぇ……どうして兄は、あなたの出自を知っていたの?」
シドはほんの少しだけ考える仕草をした。
「……分からない。けど、少し前にイスタリアから“使者”が来た。国に戻るよう言われたんだ。もちろん断ったが……恐らくルイ王子は、その件で察したんじゃないかと思う。」
アリスは目を見開いた。
「……国に、戻るように言われてるの?」
「ああ。今さら俺に何の用があるって話だが。」
シドの声は落ち着いているのに、その奥にある微かな不安と諦めが、アリスの胸を締めつけた。
彼女はそっと、シドの袖を握った。



