「ほい、特製海鮮パスタ!」

レオがシドとリアンの間にパスタをどんっと置いた。

シドはハッとして首を横に振った。

「美味しそう、ありがとうレオ。」

リアンはパスタを見てレオに礼を言った。

***

リアンとレオと過ごした後、レオが店の空き部屋を使っていいと言ってくれた。

シドはアパートはもう引き払ってしまったので、レオの提案に甘えることにした。

空き部屋にポツンと置いてあるベッドにシドは腰掛けた。

今日リアンから王女の話を聞いて、昔の自分を思い出した。

王宮には自分の居場所がない。立派な兄がいて、自分は王家では前例のない魔法使いとして生まれた次男。

母親はいつも兄ばかり可愛がり、父親は王家に魔法使いが生まれた事を良く思っていなかった。

城を出たあの日、外の空気を吸った時シドはやっと自分は初めて呼吸ができたような感覚に陥った。

だから王女の気持ちはよく分かる。王宮に居場所がないと感じてしまう事をーー。