王宮・政務室。
分厚い書簡を閉じたルイの前で、近衛の報告官が恭しく頭を下げていた。
「――以上が、先日の魔物討伐の戦果にございます。ノクターン隊が主力として出撃し、被害は最小限。討伐は完全に成功とのことです」
ルイは静かに頷いた。
「よくやった。ノクターンには褒美を出そう。ルシアン隊長には、直接言葉を伝えるように」
報告官が下がろうとしたところで、ルイがふと口を開く。
「……待て。討伐の際、同行者の名簿を確認したか?」
「はっ。補佐官シド殿も随行しておりました」
その名を聞いた瞬間、ルイの指先がわずかに止まった。
視線を落とし、机の上の封書を静かに撫でる。
「……シドが、ノクターンに?」
その呟きは低く、誰にも聞き取れぬほどだった。
やがて報告官を下がらせ、ルイは椅子に深く身を預ける。
窓から差し込む光が金の髪を照らす中、王太子の瞳はどこか遠くを見つめていた。
「…剣の腕もなかなかのようだ。」
小さく漏れた言葉に、深い思惑の影が滲む。
分厚い書簡を閉じたルイの前で、近衛の報告官が恭しく頭を下げていた。
「――以上が、先日の魔物討伐の戦果にございます。ノクターン隊が主力として出撃し、被害は最小限。討伐は完全に成功とのことです」
ルイは静かに頷いた。
「よくやった。ノクターンには褒美を出そう。ルシアン隊長には、直接言葉を伝えるように」
報告官が下がろうとしたところで、ルイがふと口を開く。
「……待て。討伐の際、同行者の名簿を確認したか?」
「はっ。補佐官シド殿も随行しておりました」
その名を聞いた瞬間、ルイの指先がわずかに止まった。
視線を落とし、机の上の封書を静かに撫でる。
「……シドが、ノクターンに?」
その呟きは低く、誰にも聞き取れぬほどだった。
やがて報告官を下がらせ、ルイは椅子に深く身を預ける。
窓から差し込む光が金の髪を照らす中、王太子の瞳はどこか遠くを見つめていた。
「…剣の腕もなかなかのようだ。」
小さく漏れた言葉に、深い思惑の影が滲む。



