シドは出立の準備を進めながら、執務室にいるセラを呼んだ。
「しばらく留守にする。細かい仕事は任せたいんだが……大丈夫か?」
セラは胸に手を当てて笑みを浮かべる。
「もちろんです。具体的には?」
シドは机の引き出しから、几帳面に書き込まれた小さなメモを取り出した。
「魔道具の定期点検、魔法薬の在庫管理……あとは温室の確認だな」
「温室?」
セラは首をかしげる。
「アリス王女殿下のものだ。あそこは水路管がたまに詰まる。放っておくと草花が枯れるから、時々見てやらないと」
セラは意外そうに目を瞬き、それからじっとシドを見た。
「なるほど……殿下の温室を点検するのも、お仕事のうちなんですね」
シドはあっさりと頷き、特別なことでもないように淡々と続ける。
「まぁ温室は魔法は特に使われていないけどな。魔導補佐官なんて肩書きだが、実際はそういう地味な仕事の積み重ねだ」
セラは少し口元をゆがめ、声を潜めるように呟いた。
「……シド、なんかずいぶん楽しそうに見えます。魔物退治ってそんなに嬉しもの?」
シドは苦笑しながら肩をすくめる。
「元々はそれが本業だったからな。魔物退治や厄介払いこそ、俺の性分に合ってる」
セラは「ふーん」と短く返し、何か思い当たるようにわずかにニヤリとした。
「しばらく留守にする。細かい仕事は任せたいんだが……大丈夫か?」
セラは胸に手を当てて笑みを浮かべる。
「もちろんです。具体的には?」
シドは机の引き出しから、几帳面に書き込まれた小さなメモを取り出した。
「魔道具の定期点検、魔法薬の在庫管理……あとは温室の確認だな」
「温室?」
セラは首をかしげる。
「アリス王女殿下のものだ。あそこは水路管がたまに詰まる。放っておくと草花が枯れるから、時々見てやらないと」
セラは意外そうに目を瞬き、それからじっとシドを見た。
「なるほど……殿下の温室を点検するのも、お仕事のうちなんですね」
シドはあっさりと頷き、特別なことでもないように淡々と続ける。
「まぁ温室は魔法は特に使われていないけどな。魔導補佐官なんて肩書きだが、実際はそういう地味な仕事の積み重ねだ」
セラは少し口元をゆがめ、声を潜めるように呟いた。
「……シド、なんかずいぶん楽しそうに見えます。魔物退治ってそんなに嬉しもの?」
シドは苦笑しながら肩をすくめる。
「元々はそれが本業だったからな。魔物退治や厄介払いこそ、俺の性分に合ってる」
セラは「ふーん」と短く返し、何か思い当たるようにわずかにニヤリとした。



