「…はぁ。」
シドは自分の部屋に戻るとベッドに腰掛けた。
何だったんだ、あいつーー、
何処かで見た事があるような気がするが、王宮に知り合いがいるはずは無い、、。
それにしても、俺が庭師?これからは王宮で何者かと聞かれたらあの長ったらしい魔法大臣付魔導補佐官と答えなければいけないのだろうか。
名前だけ聞くとかなり大層な役職名に聞こえる。
シドはそんな事を考えながら自室に戻った。
明日からロザリアの元で魔法使いとして働く。
どんな事を教えてもらえるのだろう。
王室付き魔法使い…自分はロザリアの教えに応えることが出来るのか。
シドは少し不安を感じながらどこか楽しみでもあった。
そして今夜は早めにベッドに入り明日からの日々に備えることにした。
そしてその頃、先ほどの女性ーこの国の王女であるアリスは温室で草花を眺めながらシドのことを考えていた。
「…あの新しい庭師は一体どうやって直したのかしら。」
アリスはジョウロで花に水をあげながら首を傾げた。



