図書館の重厚な扉をくぐると、ひんやりとした空気と紙の香りが漂った。高い天井まで届く書架には、分厚い魔導書や古い歴史書が整然と並んでいる。
シドは一歩前に出て、落ち着いた声で説明を始めた。
「こちらは王立図書館です。王国建国以前の古文書から最新の魔導研究まで、あらゆる知識が収められています」
ルーサは興味深そうに首をかしげながら、突然こんなことを言った。
「この中に、竜の言葉で書かれた恋文なんてものはあるのか?」
シドは一瞬だけ言葉を失ったが、真面目に考えて答えた。
「……竜の言葉で記されたものは魔導契約や古代詩が中心です。恋文は、少なくとも私の知る限り存在しません」
その真剣な答えに、アリスは思わず小さく吹き出した。
「ふふっ……竜の恋文、ですって。想像すると少し可笑しいわ」
ルーサは嬉しそうに両手を広げる。
「だろう? 想像するだけで楽しいじゃないか!」
ロザリアは呆れたようにため息をついたが、どこか楽しげでもあった。
シドは口をつぐんだまま軽くうなずいた。
するとロザリアが静かに口を開く。
「王子の着想は、常に新鮮でございます。竜の言葉で交わされた恋文――確かに記録には残されておりませんが、誰も存在しなかったとは証明できません。もし残っていれば、きっと稀有な研究対象となったでしょう」
ルーサは目を細め、満足げに笑った。
「そうか! やはり私の思いつきは面白いだろう?」
アリスはそんなやりとりに思わず頬をゆるめた
シドは一歩前に出て、落ち着いた声で説明を始めた。
「こちらは王立図書館です。王国建国以前の古文書から最新の魔導研究まで、あらゆる知識が収められています」
ルーサは興味深そうに首をかしげながら、突然こんなことを言った。
「この中に、竜の言葉で書かれた恋文なんてものはあるのか?」
シドは一瞬だけ言葉を失ったが、真面目に考えて答えた。
「……竜の言葉で記されたものは魔導契約や古代詩が中心です。恋文は、少なくとも私の知る限り存在しません」
その真剣な答えに、アリスは思わず小さく吹き出した。
「ふふっ……竜の恋文、ですって。想像すると少し可笑しいわ」
ルーサは嬉しそうに両手を広げる。
「だろう? 想像するだけで楽しいじゃないか!」
ロザリアは呆れたようにため息をついたが、どこか楽しげでもあった。
シドは口をつぐんだまま軽くうなずいた。
するとロザリアが静かに口を開く。
「王子の着想は、常に新鮮でございます。竜の言葉で交わされた恋文――確かに記録には残されておりませんが、誰も存在しなかったとは証明できません。もし残っていれば、きっと稀有な研究対象となったでしょう」
ルーサは目を細め、満足げに笑った。
「そうか! やはり私の思いつきは面白いだろう?」
アリスはそんなやりとりに思わず頬をゆるめた



