誕生日会の喧騒が収まった後、ルイ王子の私室には静けさが戻っていた。
重厚な扉が叩かれ、ロザリアが入室する。
「何かあったのか?」と、机に腰掛けていたルイが顔を上げる。
ロザリアは一礼し、手にしていた書簡を差し出した。
「殿下。急ぎの知らせがございます。差出人は……昔の悪友でして。ハムサ国の魔法大臣、メアリーです」
「メアリー……?」ルイの眉がひそむ。
ロザリアは淡々と続けた。
「彼女の仕えるルーサ王子が、近日中にイスタリアへ親善訪問に参りたいと強く希望しているとのことです」
その言葉を聞いた途端、ルイの口元が険しく引き結ばれた。
「……よりによって、あの男か。噂は耳にしている。気まぐれでわがまま、扱いにくい相手だと」
彼は机を指で軽く叩きながら、苛立ちを隠そうともしなかった。
「この国の行事に水を差されるのはごめんだ。なぜ今この時期に……」
ロザリアは苦笑を浮かべ、肩をすくめた。
「…分かりません。メアリーの手紙にもそれ以上は書いてありませんでした。」
ルイは深く息を吐き、椅子にもたれかかった。
「……仕方あるまい。迎え入れる準備を整えるしかないな。だが、気を抜くな。厄介な嵐が城へ舞い込むぞ」
重厚な扉が叩かれ、ロザリアが入室する。
「何かあったのか?」と、机に腰掛けていたルイが顔を上げる。
ロザリアは一礼し、手にしていた書簡を差し出した。
「殿下。急ぎの知らせがございます。差出人は……昔の悪友でして。ハムサ国の魔法大臣、メアリーです」
「メアリー……?」ルイの眉がひそむ。
ロザリアは淡々と続けた。
「彼女の仕えるルーサ王子が、近日中にイスタリアへ親善訪問に参りたいと強く希望しているとのことです」
その言葉を聞いた途端、ルイの口元が険しく引き結ばれた。
「……よりによって、あの男か。噂は耳にしている。気まぐれでわがまま、扱いにくい相手だと」
彼は机を指で軽く叩きながら、苛立ちを隠そうともしなかった。
「この国の行事に水を差されるのはごめんだ。なぜ今この時期に……」
ロザリアは苦笑を浮かべ、肩をすくめた。
「…分かりません。メアリーの手紙にもそれ以上は書いてありませんでした。」
ルイは深く息を吐き、椅子にもたれかかった。
「……仕方あるまい。迎え入れる準備を整えるしかないな。だが、気を抜くな。厄介な嵐が城へ舞い込むぞ」



