口ではそう言いつつも、抱きしめられている私は表情を見ることができない。
「顔、ちゃんと見たいな。」
甘えた声でそう言うと少し迷ったあと、腕の力を緩めてくれた。
ヨルの頬は少し赤らんでいて、耳なんてイチゴのように真っ赤だった。
ヨルは身長も大きいし、顔も精悍なのに、その様子がまるで少女漫画に出てくる女の子のように可愛くて私までドキドキしてくる。
「どうしてお前まで赤くなってるの?」
揶揄うように笑い、私の頬を撫でる。
「そんな顔で、式に出られるのか?」
「もう…大丈夫だよ!」
バッとヨルから離れると、彼も名残惜しそうに手を離した。
私はすかさずその手を握る。
ビックリした顔をするヨルを見てまた気分を良くしながら手を引っ張る。
「ほら、一緒に行こ!」
もう私のこと、置いていかせないから。
二人で並んで歩いて、ずっと一緒にいようね。
