文句を言うわりに、口元は緩んでいてどこか嬉しそうだ。
私はわざとらしく息を吐いて、さらに足を早める。
始めは本当にムカムカしていたけれど、ヨルの顔を見たらすぐにそんな気持ちは吹きたんでしまった。
妹扱いをやめてから、まだ少しぎこちない様子のヨルが面白くて、ついこうしてからかってしまう。
最初の方は必死に機嫌取りをしていたヨルも、最近は慣れてしまって随分余裕そうだ。
そろそろ怒るフリも飽きてしまった。
いつの間にか人気のない場所に入っていたようで、周りに私たち以外の人はいない。
念の為による辺りを見回してから、後ろを向いてヨルの広くて硬い胸に飛び込む。
勢いよく飛び込んだはずなのに、ヨルはよろけもせずにしっかりと私を抱きとめる。
