「何言ってるんだ?俺がお前を守るのは当たり前だよ。」
本当に不思議だとでもいうように、少し眉をひそめて乱れた私の髪を耳にかける。
「アサより大切なものなんてない。
愛してるんだ。」
私に触れる彼の手は熱があるかのように熱くて、肌が溶けてしまいそうだ。
「俺とアサの好きが一緒じゃなくたっていい。」
少し震えた手で、だけどしっかりと私を抱きしめる。
ヨルの背中に腕を回すと、さらに力が強くなり吐息が耳を掠めた。
「そばに居てくれるだけでいいんだ…」
耳を澄ませないと聞こえない程の声量で縋るように囁く。
十何年もヨルと一緒にいたのに、私は彼のことを何も分かってあげられなかったのかもしれない。
ヨルはずっとずっと、どんな気持ちで私を見てきたんだろう。
ヨルは私の事なんかなんでもわかっちゃうのに。
「嫌だって言っても、離れてあげないから。」
勢いよく発したはずの言葉は強がりのように震えていた。
耳元からは鼻をすするような音が聞こえる。
私たち、これからずっと一緒にいるんだから。
死んだって離してあげない。
だから、いつか同じ"好き"になれるよ。
