でも、それからお兄ちゃんは忙しくなっちゃって、秘密基地に来ることも自然となくなって…
「お兄ちゃんは、覚えてる?」
覚えてるわけないよ。私のせいで、全部全部忘れちゃったのに。
「昔、この景色をまた一緒に見ようって言ったの。」
やめて、自分が悪いんでしょ。お兄ちゃんのせいにしないで。これ以上、困らせないでよ。
滲む視界で、お兄ちゃんがこちらを振り向くのがわかった。
今の私を見ないで欲しい。今すぐ逃げ出したい。
でも、ここで逃げてしまったら今までと何も変わらない。向き合うって決めたから。
お兄ちゃんは少しだけ困った顔をして、私の顔に手を伸ばす。
その手を掴んで、両手で包み込む。
「私、ヨルのことが好き。」
