「それで、どうしても来たかった所ってここ?」
「そうだよ、私たちの思い出の場所でしょ!」
卒業式の時には、2人で秘密基地に行こうと決めていた。貰ったプレゼントもそのままに、草を掻き分けながら二人で並んで山道を歩く。
「それにしたって、1回家帰ってからでも良かったでしょ…」
「大丈夫だよ、そんなに大荷物でもないんだし。」
「俺に全部持たせておいてそれ言うか?」
お兄ちゃんの小言を軽く受け流しながら歩き続けると、目的地にはすぐに着いた。
「えっ…」
「これは…ネモフィラかな?」
一面が淡い青で覆われていて、まるで月光に照らされる夜空のようだ。
昔、一度だけ同じ景色をお兄ちゃんと見たことがある。こんなに綺麗な景色を私たちだけが知っているなんて、2人だけの秘密みたいで嬉しくてまた見ようって約束した。
