「ん? 茉莉花。なんかちょっと、どうしたの?」

週明けの月曜日。
出社してきた沙和が、茉莉花を見て首をひねる。

「どうしたのって、なにが?」
「いや、なんか……。お肌はツヤツヤだし、妙にキラキラしてるし、なんならちょっと美人になったし、大人っぽくなった気もするし……。エステにでも行ったの?」
「行ってないよ。スパには行ったけど」
「あ!分かった、男だ!」

急に大きな声を出す沙和に、茉莉花は慌てて、しーっ!と人差し指を立てた。

「やっぱりそうなんでしょ?」
「沙和ちゃん、声が大きいってば」
「じゃあ、ランチの時に教えてよ?」
「えっと、はい」
「やった! よーし、ちゃっちゃと仕事片づけるわよー」

沙和は傍目にも分かりやすく、テキパキと仕事をこなしていった。