土曜日のパーティーが終わり、茉莉花は日曜日を好きなことをして過ごした。
のんびり部屋で雑誌を読んだり、お気に入りのカフェでランチをする。
財布の紐も緩めて、夏物の洋服も何着か購入した。
パーティーで目に焼きついた幸せそうな二人の姿に、平気だと強がるつもりはないけれど、それほど落ち込むこともなかった。
大丈夫、きっとちゃんと気持ちを入れ替えられる。
そう自分に言い聞かせて、月曜日を迎えた。
「おはようございます。部長、先日はうちまで送ってくださって、ありがうございました」
出社すると、他にはまだ誰もいないオフィスで優樹に挨拶する。
「おはよう。こちらこそ、パーティーではありがとう。お礼にこれを君に」
「えっ? なんでしょうか」
茉莉花は、差し出された細長い封筒を手に取った。
「今週の金曜日だろう? 乾さんと行く鎌倉の花火大会。そこの観覧席のチケットだ。混雑に巻き込まれず、特等席で座って見られる」
「え、そんな。よろしいのでしょうか?」
「ああ。受付してくれた君たちに、せめてものお礼だ。受け取ってほしい」
「ですが……」
自分のパーティーでもないのに、優樹にそこまでしてもらうのは気が引ける。
タクシーで送ってもらっただけで充分だった。
戸惑っていると優樹が口を開く。
「乾さんは喜ぶんじゃないか? 彼女の為でもあるんだ。渡してやってほしい」
「あ、はい。そうですよね。では、ありがたくいただきます」
「楽しんできて」
「はい。ありがとうございます」
始業時間の少し前に出社してきた沙和に話すと、予想通り大喜びした。
「わあ、いいね! 特等席で見られるなんて。楽しみー! 部長にお礼言って来る。部長ー!」
大きな声で近づいて来た沙和に、優樹は苦笑いしながら頷いている。
そんな二人に、茉莉花も頬を緩めていた。
のんびり部屋で雑誌を読んだり、お気に入りのカフェでランチをする。
財布の紐も緩めて、夏物の洋服も何着か購入した。
パーティーで目に焼きついた幸せそうな二人の姿に、平気だと強がるつもりはないけれど、それほど落ち込むこともなかった。
大丈夫、きっとちゃんと気持ちを入れ替えられる。
そう自分に言い聞かせて、月曜日を迎えた。
「おはようございます。部長、先日はうちまで送ってくださって、ありがうございました」
出社すると、他にはまだ誰もいないオフィスで優樹に挨拶する。
「おはよう。こちらこそ、パーティーではありがとう。お礼にこれを君に」
「えっ? なんでしょうか」
茉莉花は、差し出された細長い封筒を手に取った。
「今週の金曜日だろう? 乾さんと行く鎌倉の花火大会。そこの観覧席のチケットだ。混雑に巻き込まれず、特等席で座って見られる」
「え、そんな。よろしいのでしょうか?」
「ああ。受付してくれた君たちに、せめてものお礼だ。受け取ってほしい」
「ですが……」
自分のパーティーでもないのに、優樹にそこまでしてもらうのは気が引ける。
タクシーで送ってもらっただけで充分だった。
戸惑っていると優樹が口を開く。
「乾さんは喜ぶんじゃないか? 彼女の為でもあるんだ。渡してやってほしい」
「あ、はい。そうですよね。では、ありがたくいただきます」
「楽しんできて」
「はい。ありがとうございます」
始業時間の少し前に出社してきた沙和に話すと、予想通り大喜びした。
「わあ、いいね! 特等席で見られるなんて。楽しみー! 部長にお礼言って来る。部長ー!」
大きな声で近づいて来た沙和に、優樹は苦笑いしながら頷いている。
そんな二人に、茉莉花も頬を緩めていた。



