「しーらせくん!いい子いた?」
ふいに声をかけられて振り返ると、すぐ後ろで真っ白なドレス姿の華恵が意味ありげに笑っていた。
「おい、主役がこんなところで何やってんだよ」
「だってその主役なんて目にも留めずに、ずっとソワソワしてる誰かさんのことが気になっちゃったんだもん」
「……誰だよ、誰かさんって」
「さて、誰でしょうねえ? 茉莉花ちゃんのことが気になって仕方ない人は」
「別に、そんなんじゃない」
「あら? 白瀬くんのことだなんて、ひとことも言ってませんけど?」
ハメられたと分かり、優樹はムッと押し黙る。
すると華恵は茉莉花を見つめながら、しみじみと呟いた。
「いい子だよね、茉莉花ちゃん。今どき珍しいくらい、ほんとにいい子。優くんが彼女を癒やしてくれてたらいいな」
華恵のその言葉と真剣な口調に、優樹はハッとする。
(もしかして……。小林は知っていたのか?彼女の小澤への気持ちを)
きっとそうに違いない。
彼女は優くんという恋人がいながら、小澤への恋心も諦め切れていないと思っていたのだろう。
(それはそれで、小林も複雑だったんだろうな)
茉莉花を見つめるその眼差しは、切なくて優しい。
「どうか茉莉花ちゃんが幸せになりますように……」
心からそう願う華恵の言葉は、優樹の胸にもじわりと響いた。
ふいに声をかけられて振り返ると、すぐ後ろで真っ白なドレス姿の華恵が意味ありげに笑っていた。
「おい、主役がこんなところで何やってんだよ」
「だってその主役なんて目にも留めずに、ずっとソワソワしてる誰かさんのことが気になっちゃったんだもん」
「……誰だよ、誰かさんって」
「さて、誰でしょうねえ? 茉莉花ちゃんのことが気になって仕方ない人は」
「別に、そんなんじゃない」
「あら? 白瀬くんのことだなんて、ひとことも言ってませんけど?」
ハメられたと分かり、優樹はムッと押し黙る。
すると華恵は茉莉花を見つめながら、しみじみと呟いた。
「いい子だよね、茉莉花ちゃん。今どき珍しいくらい、ほんとにいい子。優くんが彼女を癒やしてくれてたらいいな」
華恵のその言葉と真剣な口調に、優樹はハッとする。
(もしかして……。小林は知っていたのか?彼女の小澤への気持ちを)
きっとそうに違いない。
彼女は優くんという恋人がいながら、小澤への恋心も諦め切れていないと思っていたのだろう。
(それはそれで、小林も複雑だったんだろうな)
茉莉花を見つめるその眼差しは、切なくて優しい。
「どうか茉莉花ちゃんが幸せになりますように……」
心からそう願う華恵の言葉は、優樹の胸にもじわりと響いた。



