「わあ、綺麗なお魚。気持ち良さそう」
照明を絞った館内で大きな水槽を前に、茉莉花はうっとりと色とりどりの魚に見とれた。
あのあと半信半疑で優樹のあとをついて行き、本当に水族館にやって来たのだった。
平日の夕方とあって混雑もなく、二人はゆっくり水槽を見て回る。
「水族館なんて、何年ぶりかな? とっても素敵な空間。あっ、ラッコが両手であむってご飯食べてる! 可愛いなあ。 ね? 部長」
「ああ、そうだな」
いつもの茉莉花からは考えられないほど、明るく目を輝かせるその姿に、優樹も自然と頬が緩む。
「水中トンネルもあるんですね。すごい! 海の中にいるみたい」
「空間デザインや魅せ方が上手い。誰がプロデュースしたんだろう?」
「ふふっ、気になりますか? ライバル企業のコンサルタントかもしれませんね」
「海の生き物の生態に詳しくないと無理だな。ほら、別館は大きなドーム水槽で、海底にいるみたいに頭上を泳ぐイルカを見上げられる。透明なパイプをアザラシがくぐり抜けたり、ハート型の窓からイルカを覗いたり、遊び心が満載だしSNS映えもする。建築士が誰なのか気になるな。あとで調べてみよう」
パンフレットを見ながら、優樹は熱弁を振るう。
「なんか別の意味でも見どころ満載だな。他にはどんな仕掛けがあるんだろう」
童心にかえりつつ、仕事の顔も見せる優樹に、茉莉花は笑みをこぼした。
「部長、イルカやアシカたちが一度に見られるショーがありますよ。行ってみますか?」
「それは外せない」
「ふふっ、はい。行きましょう」
タイムスケジュールを確認し、少し早めに会場に向かう。
「広いですねー。観客席は2千人収容可能だそうですよ」
「前の方に座ろうか、ガッツリ見たい。お、ポップコーン売ってるな。買って来よう」
「あはは! 部長って、全力で楽しむタイプなんですね。なんだか意外です」
「いや、ほら。これも勉強のうちだから。人気のあるスポットにするにはどうすればいいのかって」
「ふふ、そうですね。ポップコーン、キャラメルフレーバーがいいです」
「キャラメルな、分かった。レモネードも買って来る」
颯爽と売店に向かう優樹を、茉莉花は微笑んで見送る。
大きなボックスのポップコーンを分け合って食べていると、華やかな照明と音楽でショーが始まった。
照明を絞った館内で大きな水槽を前に、茉莉花はうっとりと色とりどりの魚に見とれた。
あのあと半信半疑で優樹のあとをついて行き、本当に水族館にやって来たのだった。
平日の夕方とあって混雑もなく、二人はゆっくり水槽を見て回る。
「水族館なんて、何年ぶりかな? とっても素敵な空間。あっ、ラッコが両手であむってご飯食べてる! 可愛いなあ。 ね? 部長」
「ああ、そうだな」
いつもの茉莉花からは考えられないほど、明るく目を輝かせるその姿に、優樹も自然と頬が緩む。
「水中トンネルもあるんですね。すごい! 海の中にいるみたい」
「空間デザインや魅せ方が上手い。誰がプロデュースしたんだろう?」
「ふふっ、気になりますか? ライバル企業のコンサルタントかもしれませんね」
「海の生き物の生態に詳しくないと無理だな。ほら、別館は大きなドーム水槽で、海底にいるみたいに頭上を泳ぐイルカを見上げられる。透明なパイプをアザラシがくぐり抜けたり、ハート型の窓からイルカを覗いたり、遊び心が満載だしSNS映えもする。建築士が誰なのか気になるな。あとで調べてみよう」
パンフレットを見ながら、優樹は熱弁を振るう。
「なんか別の意味でも見どころ満載だな。他にはどんな仕掛けがあるんだろう」
童心にかえりつつ、仕事の顔も見せる優樹に、茉莉花は笑みをこぼした。
「部長、イルカやアシカたちが一度に見られるショーがありますよ。行ってみますか?」
「それは外せない」
「ふふっ、はい。行きましょう」
タイムスケジュールを確認し、少し早めに会場に向かう。
「広いですねー。観客席は2千人収容可能だそうですよ」
「前の方に座ろうか、ガッツリ見たい。お、ポップコーン売ってるな。買って来よう」
「あはは! 部長って、全力で楽しむタイプなんですね。なんだか意外です」
「いや、ほら。これも勉強のうちだから。人気のあるスポットにするにはどうすればいいのかって」
「ふふ、そうですね。ポップコーン、キャラメルフレーバーがいいです」
「キャラメルな、分かった。レモネードも買って来る」
颯爽と売店に向かう優樹を、茉莉花は微笑んで見送る。
大きなボックスのポップコーンを分け合って食べていると、華やかな照明と音楽でショーが始まった。



