「茉莉花」
「優くん!」

新大阪駅に着き、茉莉花は笑顔でホームで待ってくれていた優樹の胸に飛び込む。

どうしてだろう?
抱きしめられただけで、心も身体もパワーが満タンに満たされた気持ちになるのは。
離れていた間の心の隙間を、一瞬で埋めてくれる。

「帰ろうか。クリスマスのごちそうを用意してある」
「うん!」

今夜は優樹の部屋でゆっくりイブを過ごし、明日のクリスマスは神戸のホテルに泊まることにしていた。

二人でしっかり手を繋ぎ、タクシーで優樹のマンションに帰る。

ワインを開け、オードブルやケーキを楽しんでから、優樹は改めて茉莉花に切り出した。