カフェを出ると由比ヶ浜を散歩してから、オーベルジュにチェックインする。

「白瀬様、清水様、いらっしゃいませ」

どのスタッフにも、すっかり顔と名前を覚えられている。
夕食は、当然いつものレストランだ。

「白瀬様が関西に行かれても、こうして時々ここを訪れてくださるのが嬉しいです」

そう言って顔なじみのシェフが笑顔を浮かべる。

「なんだかここに来ると落ち着くので。別荘というか、帰るべき場所というか、そんな気がします」
「大変光栄です。いつでもお待ちしております」

シェフは二人の好みも把握していて、いつも趣向を凝らした料理を振る舞ってくれる。
美味しく味わってから、シェフにお礼を言い、二人で部屋に向かった。